2024年4月22日、「頂き女子りりちゃん」こと、渡邊真衣被告の判決公判が開かれました。
裁判長は、「動機は誠に身勝手で、酌むべき余地はなく刑事責任は相当重い」と話し、渡邊被告に対し、懲役9年、罰金800万円の判決を言い渡しました。
頂き女子りりちゃんに懲役9年罰金800万円の判決
2023年8月に詐欺ほう助の罪で逮捕された「頂き女子りりちゃん」こと、渡邊真衣被告。
その後詐欺や脱税など、他の容疑も明らかになり、2024年4月22日の判決公判で懲役9年、罰金800万円の判決を言い渡されました。
SNS上では、その判決に驚きの声や、「かわいそう」とりりちゃんに同情する声がとても目立ちました。
「頂き女子りりちゃん」は、犯罪を犯したことに間違ありません。
しかしなぜこんなにも「かわいそう」と言われているのか、その理由をまとめました。
頂き女子りりちゃんは悪くない?かわいそうと言われる理由4選
「頂き女子りりちゃん」こと、渡邊麻衣被告は、以下のような理由で逮捕・起訴されました。
・50代の男性に「借金を返済しなければいけない」「滞納している家賃の支払いに充てるお金を貸して欲しい」などといった嘘をつき、約1億1700万円を搾取
・また別の男性に同様の嘘をつき約3800万円を詐取
・恋愛感情を利用して、騙してお金を巻き上げるためのマニュアル「頂き女子の参考書」を販売し、他の女性の詐欺行為を手助け(詐欺ほう助)
・男性からだまし取ったお金の所得を申告せずにを隠し、所得税約4千万円を脱税(所得税法違反)
法に触れる行いをして然るべき判決が下ったにもかかわらず、驚くべきことに「りりちゃんは悪くない」「かわいそう」といった声が後を絶ちません。
その理由をまとめました。
生い立ちが過酷
りりちゃんは、幼少期から、父親からの暴力を受けて育ちました。
判決が出る前に、東海テレビの記者に便箋87枚にも及ぶ手記を託しています。そこには
・「肌にライターの火をつける」「包丁で脅される」「お前包丁隠しただろ、今から包丁を買ってきてお前のことを殺すからな」と言われながら育った。
・自身で警察に通報した時も、親子喧嘩で片付けられてしまい、その時に「この世界に期待するのを辞めた」
・家族でどこかに出かけた記憶も、仲良く会話した記憶も、何もない
と綴られていて、愛情を感じられずに育った一面が伺えます。(参考記事:東海テレビ)
また、アトピーが原因で、学校でいじめを受けていたそう。
そのことを母親に相談しても「気のせいだ」と言われ、全く心配してもらえなかったようです。
家族からの愛情を感じることなく育ち、嘘でも愛情をくれたホストに依存してしまったのかもしれません。
実際に「嘘だと分かっていてもホストからの愛情表現が嬉しかった」と同じ手記でも語っており、「りりちゃんもホストのいいカモにされた被害者」といった意見が出ています。
懲役が長い
りりちゃんの懲役は9年。出所の時は34歳になります。
20代の貴重な時間を刑務所で過ごすことになるため、同情の声があがっています。
令和5年版の犯罪白書によれば、2022年に詐欺罪の裁判(通常第一審)で有期懲役となった3,239人のうち、最も割合が多いのは1,705人の2年以上3年以下の懲役、次に多いのが1,063人の1年以上2年未満の懲役です。これらは、詐欺罪で有期懲役となった全体の8割超を占めています。
したがって、詐欺罪の刑期は、懲役1年以上3年以下が平均といっていいでしょう。
引用:アトム法律事務所
詐欺の懲役は1年〜3年であることが多いそうです。
しかしりりちゃんは、詐欺と脱税だけでなく詐欺マニュアルを広く販売したことが重く見られたのでしょう。
本来詐欺は立件自体が難しいのですが、詐欺マニュアルを作ってしまったことで立件しやすくなったとみられます。
マニュアルを作らなければ逮捕すらされなかった可能性も…
ホストの被害者でもある
ホストからの愛情は偽りであることを頭ではわかっていながらも、愛情を求めてしまったりりちゃん。
りりちゃんは、「嘘だと分かっていてもホストからの愛情表現が嬉しかった」と語っています。
りりちゃんの担当ホストは、りりちゃんがパパ活で男性を騙して得たお金を使っていることを知りながら、りりちゃんに営業をかけてお金を使わせていました。
必要とされたい、愛情が欲しいという心の隙間に付け込まれ、「りりちゃんもホストのいいカモにされた被害者」といった意見が出ています。
りりちゃん自身も、逮捕後「男性を騙していることが辛かった。逮捕されてホッとした。」と精神的に追い込まれていたような発言をしています。
りりちゃんを含むパパ活女子だけでなく、キャバ嬢・ホストも程度の差はあれど、同じような嘘をついているという意見も多く、りりちゃんは悪くないと感じている人も多いようです。
しかし、りりちゃんの行動や言動はほぼ結婚詐欺に近く、最終的に詐欺罪に当たるとの判決が下りました。
まるで”見せしめ”
男性側は盗難されたわけでもや恐喝されたわけでもでなく、最終的に自分の意志でお金出しています。
男性は「騙された」と言っていますが、判断力に欠けていた自分の責任という厳しい意見もSNSには溢れていました。
ネット社会となり、パパ活などで若者が犯罪すれすれの行動や法に触れる行動をすることが深刻化している現代。
そんな若者たちへの”見せしめ”にされたのではないかという声も、多数見られました。
この判決が一つの判例となり、今後の裁判等の基準にもなっていくと考えられます。
まとめ
SNS上で「りりちゃんは悪くない」「かわいそう」という声が飛び交っている「頂き女子りりちゃん」。
生い立ちや、逮捕される前後の状況を考えると情状酌量の余地はありそうですが、してしまったことは悪いことであり、犯罪に当たります。
まだ若いりりちゃん。罪を償って出所した後、新たな一歩を踏み出せるといいですね。
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