2024年前期の朝ドラ「虎に翼」。
寅子がラジオに出演し、愛のコンサートが成功してからというもの、人気も上昇し、仕事も大忙し。
そんな最中、寅子の恩師である穂高先生が最高裁判事を退任することとなり、桂場たちの頼みで退任式のお手伝いをすることになります。
その退任式の中で、寅子が穂高先生に取った態度が話題になっています。
【虎に翼】寅子の穂高先生に対する態度が話題!
愛のコンサートが成功してからというもの、目の回るような忙しさの寅子。
そんな中、穂高最高裁判事の退任が決まり、退任式のお手伝いをすることになりました。
穂高先生と寅子、2人の確執を分かっていながら、仲を取り持ちたい気持ちからか寅子に退任式のお手伝いをと頼む桂場さん。
しかし当日、衝撃的な行動を取った寅子に、SNSでは様々な意見があがっていました。
法律の世界に自分を引き入れた恩師であり、父の裁判でも唯一弁護を引き受け、助けてくれた穂高先生。
そんな恩がありながら、寅子はなぜあのような態度を取ってしまったのでしょうか。
本記事では、
・寅子と穂高先生の元々の確執内容
・退任式での穂高先生と寅子の様子
・寅子が穂高先生にあそこまで怒った理由(考察)
について、整理してまとめました。
寅子はなぜ怒ってる?穂高先生との確執内容まとめ!
そもそも穂高先生との最初の確執は、寅子が妊娠して倒れた日のこと。
寅子の妊娠を知った穂高は、当然のように仕事を辞めるよう寅子に促します。
穂高: 結婚した以上、君の第一の務めは何だね?子を産み良き母になることじゃないのかね?
この言葉にイライラを隠せない寅子。
寅子: 私が今ここで立ち止まれば、婦人たちが法曹界に携わる道が途絶えることになってしまいます。世の中を変えるべく法廷に立ちたいんです。
穂高: 世の中そう簡単には変わらんよ。「雨垂れ石を穿つ」だよ。君の犠牲は決して無駄にはならない。
寅子: つまり先生は、私は石を砕けない。雨垂れのひと粒でしかない。無念のまま消えていくしかない。そうお考えですか?
穂高: 人にはその時代時代ごとの天命というものがあってだね…
寅子: こうなることがわかっていて私を女子部に誘ったのですか?私達に世の中を変える力があると信じてくださったのではないのですか?
穂高: また君の次の次の世代が…
寅子: 私は!今!「私の話」をしているんです!
この後職場にも勝手に妊娠をバラされたりと、不満が募る寅子。
まぁ、これは確かにちょっと嫌だよね~。
また後日、穂高先生は寅子に家庭教師の職を見つけてきたと言い出しました。
「この道に君を引きずり込み不幸にしてしまったのは私だ」とも話します。
「でも私は無理に法律を学び続けたわけじゃない!好きでやってたんです好きでここにいるんです!」と叫ぶ寅子。
家族を養うためにいやいやこの世界に戻ってきたと思っている穂高のトンチンカンな申し出に寅子はさらに心を閉ざしたのでした。
【虎に翼】寅子が穂高先生にブチ切れのシーン•セリフまとめ!
ネット上でも話題になった、穂高先生の最高裁判事退任式での様子をまとめました。
穂高: 佐田くん!今日はありがとう!本当にありがとう!
寅子: 先生、ご苦労様でした。
穂高: じゃ、後でゆっくり話そうね!ね!
寅子の姿を見つけ、とてもうれしそうな穂高先生。
退任式が始まり、穂高先生の挨拶が始まりました。
穂高: 前最高裁長官、星朋彦先生はご自身と私のことを出涸らしとおっしゃった。もう人生を頑張り尽くし、時代も変わって役目を終えた存在だと。でも出涸らしだからこそできる役目、若い者たちに残せることがあると。こういう会を開いていただけるというのも、出涸らしとして、最後まで自分の役目を果たすことができたからなのかなと。そう思おうと思った。
ここで、「ん?」という顔をしだす寅子。
穂高: 法律を一生の仕事と決めた時から、旧民法に異を唱え、ご婦人や弱き者たちのために声を上げてきたつもりだった。
もっと何かできることがあったのではないのか。
ご婦人の社会進出、新民法のうたう本当の意味での平等、尊属殺の重罰規定の違憲性…。
出涸らしも何も、昔から私は自分の役目なんぞ果たしていなかったのかもしれない。
この挨拶を聞きながら、寅子は怒りとも悲しみともとれる涙を流し、震えながら穂高先生を見つめていました。
ここで寅子は「君のような優秀な女性が学ぶにふさわしい場所だ。」と、穂高先生が招き入れてくれた時のことを回想します。
穂高: 私は、大岩に落ちた雨垂れの一滴に過ぎなかった…。
でも、なにくそともう一踏ん張りするには、私は老いすぎた。
諸君、後のことはよろしく頼む。
本日は本当にありがとう。
挨拶が終わり拍手される中、寅子が渡すために持っていた花束を多岐川に押し付け、会場の外に飛び出します。
追いかけて、「ガキ!何を考えてるんだ!」と怒る桂場さん。
会場の外に出てくる穂高先生。
穂高: 佐田君。
寅子: 謝りませんよ、私は。
寅子: 先生の一言で心が折れても、そのあと気まずくても、感謝と尊敬はしていました。
「世の中そういうもの」と流される辛さを知る、それでも理想のために周りを納得させようと踏ん張る側の人だと思っていたから。私は、最後の最後で、花束で、あの日のことを「そういうものだ」と流せません。
先生に、自分も雨垂れの一滴なんて言ってほしくありません!
穂高: あ〜!!!謝ってもダメ、反省してもダメ、じゃあ私は一体どうすれば良い?
寅子: どうもできませんよ!(詰め寄る)
先生が女子部を作り、女性弁護士を誕生させた功績と同じように、女子部の我々に、「報われなくても、一滴の雨垂れでいろ」と強いて、その結果、歴史にも記録にも残らない雨垂れを無数に生み出したことも!
だから私も先生に感謝はしますが、許さない。
納得できない花束は渡さない。
「世の中そういうものだ」と流されない。
それでいいじゃないですか!
以上です。
こう言い合いをして、寅子は怒りながら去っていきました。
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寅子に怒鳴られた後、残されてポツンと佇む穂高先生の弱った背中が、とても寂しそうに見え、「穂高先生がかわいそう」「寅子頑固すぎる」という意見の視聴者の方が多かったようです。
【考察】寅子が退任式で怒った理由はなぜ?
寅子は空気を読まない人だから
そもそも寅子という人物はアニメのヒーローのような「正しいことをする人」ではなく「空気を読んで流されない人」というキャラ設定なので、「スンッ」とならないのは当然といえます。
一般的にあの場では「とりあえず花束を渡してその場は丸く収め、喧嘩したければ後日別の場所でやる」というのが多数派の「普通」なのかもしれません。
しかし「はて?」と思ったらすぐに顔に出てしまう、言葉に出てしまう寅子だからこそ、退任式の場でもあのような態度を取ってしまったことは必然とも言えるでしょう。
理想を追求する頑固さ
寅子の理想を追求する頑固さは、優未が84点のテストを嬉しそうに寅子に見せた時の反応からも表われています。
学校のテストを広げ「優未すごいでしょ!」と直治たちと共に見せるも、「間違えたところはしっかり復習してね!そうすれば、次は100点だから。」と笑顔で言った寅子。
優未は一瞬寂しそうな顔をしますが、「はい!」と返事をします。
「優未の寂しそうな表情に気がつくことができない」、「穂高先生が可哀想という考えに至らない」という、人の心に寄り添うことが苦手なキャラクターであることは一貫していますね。
そもそも「不平等」へのアンチテーゼのドラマだから
そもそも「納得できなくてもとりあえず飲み込ませる社会」に異を唱えていこう!というドラマなので、当然といえば当然。
あの穂高先生の言葉を認めてしまうと、「このままでいい」と認めてしまうことになるわけで、それではこのドラマの筋の一貫性が失われてしまう。
吉田恵梨香さんの、本気のシナリオなのではないでしょうか。
「雨垂れの一滴」という言葉への怒り
穂高先生が挨拶の時に発した「雨垂れの一滴」という言葉が、寅子の逆鱗に触れています。
この言葉は、寅子が妊娠中に倒れた時にも穂高先生が発しており、最初の確執が生まれた原因にもなりました。
女子部で共に学んだ仲間たちは、ほぼ記録にも歴史にも残らない雨だれとなりつつある。
それがとても悔しいのに、穂高先生自身が自分も雨垂れの一滴だったかもしれないと言うのが許せなかったのでしょう。
日本人特有の謙遜だとも思いますが…。
また、68話で、寅子が話題にした「尊属殺は違憲にすべき」という法律への検討。
15票のうちたった2票しかなかった「違憲にすべき」という声ですが、そのうち一票を穂高判事が入れています。
この穂高先生の一票について、寅子は「この一票がきっと未来につながっていくはず」と熱く家族に語っていました。
この時までは、穂高先生のことを信じていた寅子。
しかしそのしばらく後に開かれた退任式で、穂高先生自身が「所詮雨垂れだから頑張ったけど意味がなかった」というような言動をしたことで、落胆したのではないでしょうか。
最後まで信じぬいて戦いきって欲しかったという気持ちでしょうか…。
本当は寅子だって笑顔で穂高先生を見送りたかったはず。「切なくて泣けた。」との声もあがっていました。
まとめ
穂高先生の退任式という晴れの舞台で、怒りを爆発させた寅子。
穂高先生だけでなく、仲を取り持とうとした桂場さんや、上司の多岐川達の顔にも泥を塗ることになったわけですが、それでも流すことのできなかった想いをぶつけた寅子。
寂しそうな穂高先生を見て心が痛くなった視聴者も多かったのではないでしょうか。
このあと更に多忙を極め、何かと暴走しつつある寅子ですが、これから物語はどのように進んでいくのでしょうか。
一話たりとも見逃せません!
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