近年、SDGs(持続可能な開発目標)達成の一環として、人々の多様性を受け入れる社会の実現が求められています。
いわゆる「多様性(ダイバーシティ)の実現」は政府や自治体だけの課題ではなく、企業や個人においても、積極的に取り組んでいくべき課題だと言われています。
どこもかしこも「多様性」
近年、人々の多様性を受け入れる社会の実現が求められて、あちこちで「多様性」と叫ばれています。
そんな状況に、うんざりしてしまっているという声が多数あがっています。
「多様性を認めること」自体は、これからの未来をよりよくするために大事なことだとは思うのですが、なぜこのようなマイナス意見が出てしまうのでしょうか。
その理由を調査し、まとめました。
多様性とは?
多様性とは、英語のダイバーシティ(diversity)を日本語化したものです。
意味は「ある集団の中に異なる特徴•特性を持つ人がともに存在すること」
ダイバーシティという言葉は、人種や国籍、性別、年齢、障がいの有無、宗教、性的指向、価値観などの多様性から、キャリアや経験、職歴、働き方といった職業生活における多様性まで幅広いジャンルで用いられています。
SDGsで求められている多様性
SDGsでは世界が解決しなければならない17の目標が掲げられており、2030年までに「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包括性のある社会の実現を目指しています。
「誰一人取り残さない世界」の実現には、お互いを認め合う社会をつくることが必要不可欠となっています。
多様性はうんざり!偽善?やりすぎ・疲れたとの声多数!
多様性があちこちで叫ばれている状況に、うんざりしてしまっているという声が多数あがっています。
「多様性を認めること」は、「誰一人取り残さない世界」の構築に必要なことだとは思うのですが、なぜこのような反応がみられるのでしょうか。
同調圧力が苦手だから
多様性を受け入れないと、「差別だ!」と批判される、同調圧力が苦手だからという意見が多く見られました。
元々保守的で、伝統的な価値観や考えを大事にしたいという価値観を持つ人にとっては、多様性マーケティングが「考え方の押し付け」だと感じ、辛くなってしまうのかもしれません。
少数派が多数派の主張を受け入れて丸く収めるのが「多様性」ではないのと同様、多数派が少数派の主張を受け入れなければならないと決めつけ強要することも「多様性」ではありません。
本当に多様性を大事にするなら、それらを受け入れられないという考えの価値観も多様性のひとつであり、受け入れられるべきといえるでしょう。
急な変化がストレス
日本では多様性を受け入れることは「人は自分とは違う」ということを共有する概念であるため、変化に不安を感じる人にとっては非常にストレスに感じることがあります。
多様性を認めることで何かを失ったり、価値観や文化を壊すわけではありませんが、何かが壊れるのではないかと不安になる人も多いのではないでしょうか。
SNSやテレビなどで、多様性に関する主張が繰り返されるのを見て、「またか」「自分の考え方は変えたくないのに押し付けだ」と感じてしまうのも無理もありません。
偽善的だと感じる
多様性を認めるというのは、基本的に自発的な作業です。
つまり、本当に多様性の意味を理解している人は、他者に「多様性を認めろ」とは干渉しません。
一部の意味を履き違えている、悪く言うと「偽善者」が、多様性についての理解をしづらくしてしまっている可能性もあります。
わざわざ「私は多様性を受け入れているけどあなたはなぜ受け入れられないの?」と目くじらを立てる人ほど、他者との「違い」を意識してしまっているのでは?矛盾を感じる!との声も。
多様性にかこつけた「わがまま」を感じる
多様性が叫ばれるようになり、働き方やファッション、メイクなど、「自分らしさ」を出すようになった人はとても増えたと感じます。
でも、「多様性」や「自分らしさ」にかこつけて、一部の人の「自分勝手」や「わがまま」にしか見えない振る舞いも目につくようになってきています。
多様性を免罪符にして「これが自分の個性だから何をしてもいい!」というわけではありません
自分の好きな格好をしたり、人と違ったことをするのも一人一人の自由。
それでも、街中で他人が見て不快にならないよう気を付けたり、他人に迷惑をかけない「常識」や「思いやり」は最低限持つことが前提と言えるでしょう。
気を使いすぎて疲れる
無意識のうちに相手を傷つけてしまっていないか気を使いすぎて疲れるという声も。
「彼女(彼氏)いるの?」など、これまで気軽にしていたような質問が、「もしかしたら傷つける発言かもしれない」と思ってできなくなった人もいるようです。
「こんな時代にそんなこと言ったらだめだよ!」と思われるかも…などと不安になり、気軽に話せる話題が減ってきている一面は否定できないかもしれません。
「そんな考えもあるんだね」と思うだけでOK!
「多様性アレルギー」になっている人も多く見られる現代。
しかし、いつまでも「多様性は受け入れられない!」と頑なな姿勢を取っていると、今度は自分が取り残されていく可能性もあります。
「多様性を受け入れる」とは、自分とは異なる考えや環境の人と接した時に「ふ〜ん、そんな考えもあるんだね、わかったよ!」と思うだけのことです。
いろんな人と関わるほど自分の価値観は豊かになりますし、手持ちの選択肢が多いほど自分の可能性も広がります。
現状で満足していると思い込んでいる人にとっても、今までよりも生きやすいかも!働きやすいかも!ということに繋がる可能性だってあります。
「多様性」という言葉を聞き飽きてうんざりする気持ちも理解できますが、まずは自分の人間の幅を広げようという気持ちで耳を傾けることが、未来をよくする一歩になるかもしれませんね!
まとめ
今はもう多様性という考えを知っていないと社会についていけなくなる時代です。
自分には関係ないのにと思っても、「男性だから」「女性だから」などと当てはめられたり、つい発言してしまった経験はみんな一度はあると思います。
そういった自身の経験を重ねて、「そういえば自分も…」と考えることが、他者の気持ちを理解していく一歩になるのではないでしょうか!
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