NHKの連続テレビ小説「虎に翼」
女性の社会進出が普通ではなかった時代に、強い気持ちと夢をもって、たくましく生きていく女性たちを、豪華な女優陣が演じています。
朝ドラといえば、週ごとにサブタイトルが付けられているのがお約束。
朝ドラ「虎に翼」では、意味はよくわからないけれど、なんだか意味のありそうな一文が毎週のタイトルになっていて、その意味が気になっている方も多いのではないでしょうか。
【虎に翼】の週タイトルは「女性にまつわることわざ」!
「虎に翼」の週タイトルは、第1週目の「女賢しくて牛売り損なう?」をはじめとして、すべて女性にまつわることわざが使われています。
SNS上でも、この週タイトルに注目している人が多数見受けられます。
どうやら「虎に翼」の週タイトルは、女性に対して失礼な意味のことわざが使われているようです。
それぞれの週タイトルは、一体どのような意味のものなのか、一覧にして一つずつ解説します。
【虎に翼】週タイトル一覧!それぞれの意味は?
第1週:女賢しくて牛売り損なう?
【おんなさかしくてうしうりそこなう】
女が利口なようすをしてでしゃばると、かえってその浅知恵を見すかされて物事をやりそこなうという意味。
性別は関係ないような気が…
第2週:女三人寄ればかしましい?
【おんなさんにんよればかしましい】
女はおしゃべりで、三人集まるとやかましいという意味。
「女」の字を三つ合わせるとやかましい意の「姦」の字になるところが語源になっています。
第3週:女は三界に家なし?
【女は三界に家なし】
女は幼少のときは親に、嫁に行ってからは夫に、老いては子供に従うものだから、広い世界のどこにも身を落ち着ける場所がない。
「三界」は仏語で、欲界・色界・無色界、すなわち全世界のことを意味します。
なんという意味不明なことわざ…!
第4週:屈み女に反り男?
【かがみおんなにそりおとこ】
女は前にかがみうつむき加減の姿が良く、男は胸を張り反り加減の姿が良いということ。
女は少し控えめにうつむいているのが美しく、男は堂々と胸を張るのがかっこいい!という、性別に適した態度や姿勢を示すものです。
第5週:朝雨に女の腕まくり?
【あさあめはおんなのうでまくり】
朝の雨はすぐに晴れるものだから、女の腕まくりと同様に少しもこわくないということ。
第6週:女の一念、岩をも通す?
【おんなのいちねん、いわをもとおす】
女の執念は深い、ということのたとえ。
第7週:女の心は猫の目?
【おんなのこころはねこのめ】
女の心は、猫の目が光の当たり方によってコロコロ変わるように、気まぐれで変化しやすいということ。
同じ意味のことわざで、「女心と秋の空」というものがあります。
第8週:女冥利に尽きる?
【おんなみょうりにつきる】
女に生まれた 甲斐 かい があること。 女に生まれたことの幸せ。
第9週:男は度胸、女は愛嬌?
【おとこはどきょう、おんなはあいきょう】
男は度胸があってこそ男、女は愛敬があってこそ女だ。
第10週:女の知恵は鼻の先?
【おんなのちえははなのさき】
女は目先のことにとらわれ、遠い先のことを見通す思慮に欠けているというたとえ。
第11週:女子と小人は養い難し?
【じょしとしょうじんとはやしないがたし】
女性と徳のない人間とは、近づけると図に乗るし、遠ざければ怨むので、扱いにくいものである。
小人(しょうじん)とは、子供という意味ではなく、徳のない品性のいやしい人。度量が狭く器量のない人。性根のひねくれた人という意味です。「論語」において使われている言葉です。
なぜ「女性」と「性根のひねくれた人」をイコールにする…?
第12週:家に女房なきは火のない炉のごとし?
【いえににょうぼうなきはひのないろのごとし】
家に主婦がいないのは、炉の中に火がないのと同じで、大事なものが欠けていて寂しいということ。
ん…?なんだか女性を卑下することわざではなくなってきた…?
第13週:女房は掃きだめから拾え?
【にょうぼうははきだめからひろえ】
妻を迎えるなら、自分より格下の家からもらうのがよいということ。
身分の高い家から妻をもらうと、親戚付き合いに苦労したり夫の権威が下がったりする恐れがあるとの理由から、そういうことわざが生まれました。
「女房は台所から貰え」「女房は庭から取れ」などともいいます。
第14週:女房百日 馬二十日?
【にょうぼうひゃくにち、うまはつか】
「妻は100日、馬は20日もすれば飽きてしまう」という意味。
どんなものも、最初のうちは珍しがられるが、すぐに飽きられてしまうことのたとえです。
寅子に人気が出たからっていい気になるなってことですか…?
第15週:女房は山の神百石の位?
【にょうぼうはやまのかみひゃっこくのくらい】
女房は山の神百国の位とは、「女房はきわめて大切なものである」というたとえ。
第16週:女やもめに花が咲く?
【おんなやもめにはながさく】
妻を失った男の身の回りは家事に手が回らず不潔になるが、女やもめは夫の面倒を見なくてもよくなり、逆に身奇麗になり、周りの男も放っておかないからうわさも立って華やかになることをいう。
元のことわざは、「男やもめに蛆がわき女やもめに花が咲く」
第17週:女の情に蛇が住む?
【おんなのじょうにへびがすむ】
「女の情愛は執念深い」という意味。
深入りすれば恐ろしいものだという意味も含まれています。
第18週:七人の子は生すとも女に心許すな
【しちにんのこはなすともおんなにこころゆるすな】
七人の子をもうけるほど長年連れ添った妻であっても、気を許して大事な秘密を打ち明けてはいけないという意味。
第19週:悪女の賢者ぶり
【あくじょのけんじゃぶり】
心の悪い女が賢人のふりをして外見を装うこと。
同じ意味のことわざに
・餓鬼(がき)の断食
・乞食(こじき)の断食
があります。
第20週: 稼ぎ男に操り女?
【かせぎおとこにくりおんな】
「男性が外で働いて稼ぎ、女性がその稼ぎを家庭内で管理し、うまくやりくりする」という意味。
昔から男性が主に外で働き家計を支え、女性は家庭内の管理者として、収入をやりくりして家庭を維持する役割を担う、という昔ながらの家庭の役割分担を反映しています。
現代でも家計のやりくりが得意な女性を称賛する意味で使われることがあります。
第21週 : 貞女は二夫に見えず?
【ていじょはじふにまみえず】
貞節な女性は、夫と別れても再婚はしないということ。
「貞女は両夫に見えず」
「貞女は二夫を更あらためず」
「貞女は二夫を並べず」ともいいます。
第22週: 女房に惚れてお家繁盛?
【にょうぼうにほれておいえはんじょう】
亭主が女房に惚れ込んでいると、外で浮気や道楽もせず家庭円満になるということ。
第23週:始めは処女の如く、後は脱兎の如し?
【はじめはしょじょのごとくのちはだっとのごとし】
初めはおとなしく弱々しく見せて敵を油断させ、のちには見違えるほどすばやく動いて敵に防御する暇を与えないという兵法のたとえ。
孫子の名言です。
第24週:女三人あれば身代が潰れる?
【おんなさんにんあればしんだいがつぶれる】
娘が三人いると、その嫁入り支度にかかる費用が莫大で、家計を圧迫するほどお金がかかり財産がなくなってしまうという意味。
第25週:女の知恵は後へまわる?
【おんなのちえはあとへまわる】
女は知恵の回りが遅く、事が終わってからいろいろと考えつくという意味。
「頭が回るのが遅い」という悪い意味ではありません。
女性の判断やアイデアが、その場ですぐに効果が見えなくても、後になってから役立つことが多い、という意味を持っています。
女性の知恵や判断、柔軟な思考を称賛する意味もあります。
第26週(最終週):
▼実際の俳優陣が持つ台本も含むシナリオ集も販売されています。
放送ではカットされているセリフなども含まれているようで、原本との違いを探してみると俳優さんのアドリブがわかって面白そうですね!
現時点で明らかになっているタイトルについて一覧にしています。
以降も公表され次第、追記していきます。
【虎に翼】週タイトルに「?」が付く理由は?
前述のとおり、虎に翼の週タイトルは、「女性に対して失礼な意味のあることわざ」が使われています。
「女性だから○○だ」といった決め付けのことわざに対して、寅子がいれば「はて?」と言うはず。
それぞれのことわざの後ろに、「はて?」と言っている寅子がくっついてるというイメージで週タイトルを見るとよいでしょう!
まとめ
虎に翼の週タイトルを含めて、「女性を揶揄することわざ」は、男性を揶揄することわざに比べ、とてもたくさんあることに気付かされました。
女性だから能力が劣っているという意味のものもたくさんあり、令和の時代には合わない考えのものも多く存在しています。
週タイトルの後に、「はて?」と言っている寅子を想像しながらチェックしてみて下さい!
▼番組台本そのままに加え、本番のドラマではカットされたシーンやセリフも掲載されているシナリオ集が販売されています!
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