スタジオジブリのアニメーション映画作品『猫の恩返し』
この映画は、2002年に『ギブリーズ episode2』と同時上映で公開されました。
主人公の女子高生・吉岡ハルが助けた黒猫が、猫界の王子だったことにより、仲間の猫たちから過剰な「猫の恩返し」が始まる、不思議でかわいい物語です。
「猫の恩返し」と「耳をすませば」の関係が気になる!
「猫の恩返し」は、2002年に公開された、スタジオジブリのアニメーション映画です。
「耳をすませばは、同じくスタジオジブリのアニメーション映画で、1995年に公開されました。
この2つの映画には、密接な関係があることをご存じだったでしょうか。
猫の恩返しには、映画「耳をすませば」とのつながりを感じられるものが所々に登場します。
本記事では、この2つの映画の関係や、原作についての情報をまとめました!
【猫の恩返し】原作・元ネタはしずくの小説!
「猫の恩返し」は、「耳をすませば」の主人公である月島雫が書いた物語という位置付けのスピンオフ作品です。
「猫の恩返し」「耳をすませば」原作の作者は、2作品とも柊あおいさん。
小説ではなく、宮崎駿のリクエストをうけて柊あおいさんが描き下ろしたコミック「バロン 猫の男爵」を原作としています。
猫の恩返しは耳をすませばの続編ではありません。
しかし、「続編は作らない」というスタジオジブリにとっては珍しい作品といえますね!
「耳をすませば」の猫・バロンやムーンとの繋がりは?
「猫の恩返し」と「耳をすませば」の2作品には、共通して登場する猫が2匹います。
猫の男爵
2作品に共通して登場する猫の男爵。
「耳をすませば」ではバロンという名前、「猫の恩返し」ではフンベルト・フォン・ジッキンゲンという名前で登場しています。
バロン(耳をすませば)
「耳をすませば」ではおじいちゃんのアンティークショップ、『地球屋』に置かれている猫の人形として登場します。
地球屋の主人・西史郎は、若い頃戦前のドイツへ留学。
その際にバロンと出会います。
バロンの持ち主に譲ってほしいと頼み、一度断られますが、その後譲ってもらうことになりました。
見る角度によって光の当たり方が変わるとキラキラと光るバロンの目は、エメラルドの原石を含む鉱物でできています。
そのキラキラした光の反射は、職人が人形を作る際についた細かい傷によるもので、天使の部屋と呼ばれています。
フンベルト・フォン・ジッキンゲン(猫の恩返し)
「猫の恩返し」ではフンベルト・フォン・ジッキンゲンが全編にわたって登場します。
猫の恩返しに出てくる「猫の事務所」(原作漫画では「地球屋」という名前)の所長という設定です。
体長30センチほどで、二足歩行で歩きます。
タキシード姿でステッキを持っており、剣術の腕前は一流。
紅茶が好きで、ハルにも小さい猫サイズのカップで特製スペシャルブレンドの紅茶を振舞ってくれます。
男爵が目分量でブレンドしているのか、毎回味が変わるようで、「おいしい」と言うハルに「君はついてる」と返事をしています。
原作での毛色は暗めのこげ茶色でますが、耳をすませばや猫の恩返しでは黄色っぽい毛色が印象的です。
太った猫
ムーン(耳をすませば)
「ムーン」という名前は「耳をすませば」にて天沢聖司が付けた名前です。
耳をすませばの映画内では、スルスル~ッと電車に乗って移動したり、あちこちの家に顔を出してご飯をもらって回ったりと、自由に半野良の状態で生活しています。
特定の住まいは持っていないようですが、あちこちで愛されているようで、とても太っています。
ツーンとした表情で落ち着いているため、「猫の恩返し」のムタとは少しイメージが違うようにも感じます。
ムタ(猫の恩返し)
本名は「ルナルド・ムーン」。
「ムタ」という名前は、「耳をすませば」の映画内で、雫の親友・原田夕子の近所に住む女の子が名付けた名前と同じです。
口が悪く、短気で気難しく見えますが、根は優しくて頼りになり、ハルのことを助けてくれます。
猫なのに、ハルを階段の上に放り投げる怪力の持ち主。
甘いものが大好きで、映画の中でもケーキやゼリー、お菓子を次々と平らげています。
はるか昔、猫の国で国中の魚を喰い尽くして逃げた伝説の大犯罪猫として、壁画にもなっています。
何歳なのかは分かりませんが、猫王に「どうすればそんなに長く生きられるのか」といわれており、普通の猫よりもはるかに長く生きていると推測されます。
不老不死ともいわれていますが、なぜなのか等、はっきりしたことは明らかになっていません。
声優・音楽での繋がり
「耳をすませば」で、主人公の月島雫の声優をしている本名陽子さんが、ハルのクラスメイト・チカ役の声をしています。
この口数の少ない眼鏡の少女です。
この映画内では名前も出てこず、登場する時間もわずかです。
また、バロンが連れ去られたハルを追いかけるシーンでは「耳をすませば」の音楽が流れている箇所もあります。
作品の随所に制作スタッフの遊び心が見られますね!
まとめ
いつ見ても色あせない映画「耳をすませば」。
そのスピンオフである「猫の恩返し」もまた、とてもほっこりして悩みが薄れるような、心が温かくなる作品です。
是非2作品を続けて見比べ、つながりを感じながら楽しんでみてください!
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